産むことを助ける、と書く助産師。この文字面から助産師の仕事は妊娠した女性の出産をケアするイメージが強いが、実は出産後にもやることはたくさんあります。病院では出産が無事に完了したからといって、すぐに退院ということにはなりません。産後に入院している新米ママに対してさまざまなケアをし、多くの情報を提供しながら育児不安を解消していくことも助産師や看護師の重要な仕事です。
赤ちゃんというのは、産まれた当日はぐっすり眠りますが、2日目以降はすぐに泣き出す傾向にあります。そのため、新米ママは1日に平均して約12回から16回も授乳することになります。しかし、産まれて2日しか経っていない赤ちゃんは首がすわっていないため、上手に授乳するどころか上手に抱きかかえることも困難です。そこで、助産師や看護師が新米ママに抱っこの仕方を教えて、赤ちゃんが上手におっぱいに吸いつくことができるようにサポートします。1日のほとんどが授乳の時間になり、昼夜関係なくケアしなければならないため、この仕事には相当な根気が必要です。おっぱいがすぐに出ないときは、ミルクを足すかどうかも助産師が判断しなければなりません。
また、産後の入院中に新米ママの乳房を優しくマッサージすることも、助産師の大切な業務の1つです。この際、ひたすらマッサージをするのではなく、今回の妊娠や出産を振り返る会話をしながら新米ママの授乳の疲れを癒すスキルも求められます。実際にこのマッサージのときの会話から得られた情報が、退院後の子育ての参考になったと話す母親は多いものです。